ヒップホップファッションはカジュアルファッションのジャンルのひとつとして人気です。通販サイトやSNSなどでヒップホップ系のファッションを見ているときによく出てくるワードに「B系」があります。今回は、B系というキーワードを軸に今はやりのヒップホップファッションについて解説します。
B系ファッションはオーバーサイズが基本
B系とは、B-Boy系を略した言葉です。B-Boyとはヒップホップの一要素である「ブレイキン」、つまりブレイクダンスを踊るダンサーのことを意味します。女性の場合だとB-Girlと呼ぶこともあります。また、B-Boy・B-GirlのBはヒップホップ発祥の地であるブロンクス（Bronx）のBとする説もあります。一部にはBlackやBadのBとも言われていますが、これは誤りです。
余談になりますが、1900年代末から2000年代頃に秋葉原にいるオタクっぽい男性を揶揄してA-Boyという呼び方がされたことがあるようです。これはちょうどその頃日本でヒップホップファッション、B-Boyスタイルが一般に広まったことの影響のひとつと言えるかもしれません。
B系ファッションの基本はオーバーサイズです。ジャストサイズよりもかなり大きめを選び、ダボッとしたルーズな感じに着こなします。もともとはストリートの子供や若者がお下がりのダボダボの服を着ていたことに由来するようですが、体が泳ぐような大きめのトップスや腰に引っ掛けるような履き方のパンツは独特のカッコよさがあります。
B系ファッションは、人気スポーツブランドのロゴ入りTシャツやパーカー、サイドにライン模様が入ったトラックパンツなど、スポーツ系のアイテムを取り入れることが多いです。個性的なイラストが大きくプリントされたインパクトのあるデザインのアイテムもよく見られます。
また、バスケットシューズに代表されるようなボリューム感のあるスニーカーも定番のひとつです。人気ブランドのなかには数百万円という高額モデルもあるというのは驚きですね。スニーカーはコレクターも多く、レアな品物はオークションで数千万円の値がつくこともあるそうです。
B系ファッションではアクセサリーを多用する傾向があります。とにかく大ぶりでゴージャスなのが特徴で、太いチェーンネックレスを二重三重に重ね付けすることも珍しくありません。ヒップホップファッション特有の派手なジュエリーは「ブリンブリン」と呼ばれます。これは「キラキラ光るもの」を意味する英語「bling bling」からきています。
B系ファッションはメンズだけじゃない
B系ファッションはB-Girlと呼ばれる女性からも支持されています。メンズ同様オーバーサイズが基本ですが、女性の場合チューブトップにダボダボのパンツ、オーバーサイズのトップスにショートパンツなど、上下でメリハリをつけたコーディネートもよく見られます。肌見せや体のラインが出るタイトなアイテムなど、セクシーな要素を含むことも多いです。
B系ファッションの人気はキッズにも広がってきています。学校でのダンス必修化の影響でヒップホップダンスが習える教室が各地に増えてきており、ステージ衣装としてB系ファッションを着こなし、大人顔負けの本格的なダンスを披露する子も少なくありません。なかには親子で習えるヒップホップダンススクールもあり、二世代でダンスやB系ファッションを楽しむ姿が見られます。
これまではヒップホップやB系ファッションというと主に男性のものというイメージでしたが、ヒップホップダンスを習う子どもたちが大きくなる頃にはその印象もかなり変わっていくかもしれません。
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